tab tab
馬場内科logo_0
馬場内科 hlogo 馬場内科 tlogo

医療法人 爽々会 馬場内科

(医療関係者向け)

icon 当院電子カルテ 長期使用レポートはこちら。

電子カルテ - データベースとしての電子カルテ :
私がパソコンに興味を持ったのは約20年前です。カード型データベース「Ninja(忍者)」というソフトに出会ったことがきっかけです。仕事はもちろん趣味の分野においても,もう何でも手当たり次第にデータを入力し,データを扱う楽しさを覚えました。その後はリレーショナル型データベース「桐」に乗り換え,さらに奥深いデータベースの魅力に惹かれました。データベースソフトをうまく利用すれば,データの並び替えや抽出を行ったり,集計したりしてデータを解析できるだけではなく,データを矯めつ眇めつしながら,アイデアをひねり出したり,問題点を探し出すツールとして使えることがわかったからです。

電子カルテの背後には,高性能のデータベースが存在しており(巨大なExcelの表を思い浮かべてください),膨大なデータが格納されています。電子カルテソフトは,そのデータベースと,人間の間に介在して,データの受け渡しを行っています。個あるいは集団のデータベースとして電子カルテを考えた場合,入力した情報に比べて,閲覧したり,加工したり,引き出したりできる情報がなんと少ないことか。情けないくらいです。カルテを記載するメディアを,紙からハードディスクに置き換えるという考え方でスタートすると,こういうことになるのでしょう。

電子カルテの3原則(見読性,保存性,真正性)を満足するかどうかは,あくまで紙カルテとの比較においての話です。電子化する際に紙カルテの原則を保証する条件にすぎません。3原則が満たされていると言われても(実はこれもなかなか難しいのですが),それだけで,その電子カルテが優れていると考えてはいけません。電子カルテの優劣を判断するとき,データベースソフトとして使えるソフトであるかどうかという視点が大変重要だと思っています。この点については後日まとめてみようかと思っています。

ちなみに,当院の電子カルテでは,患者様一覧表(基本台帳のようなもの)もすぐには閲覧できません。またCSVなどでファイルを出力することもできません。 仕方ないので,「桐」にボチボチと入力しています。二度手間で悲しいです。

2006.11 馬場内科
電子カルテ - データベースの同時共有 :
先日突然,異なる部署において,同じ患者様のカルテを同時に開いて,書込んだり訂正したりすることができなくなりました。これは,同時書き込みした場合データがうまく同期せず,予期せぬエラーが発生することが判明したからなのですが,同時入力ができないとなると以下のような困ったことが起こってきます。実際仕事になりません。

診療終了後,会計に入ると記事の追加や診断名の記載ができません。診療室では電子カルテのつくりが不完全なこともあり,診療時間内に仕事が終了しません。会計が済むころには,次の仕事が入ったり,診療内容の記憶が薄れている場合があるわけです。また,現段階ではレセコン部分のつくりも不完全で,正しい計算ができていない場合もあるので,会計チェックと訂正に相当な時間がかかります。診療内容を決定し会計を開始した後,またゆっくりと患者様と話して,カルテに書き込むなどという場合もあります。

予診の段階(問診,身体測定,血圧測定その他)では,診察室でカルテが書き込めません。逆に診療室でカルテを開いた場合には,予診の記事や,当日診療と平行して行った検査の結果を書き込むことができません。

  ReadOnly で開けば,確かにカルテは閲覧できますが,書き加えたいことがあった場合,後で開きなおすことが面倒です。他の部署の作業が終了したかどうか,いちいち確認しなければなりません。そのようなお知らせ機能をもっていないので,口頭確認です。もっと離れた場所であればどうするのか?

最近は,紙のカルテでも,患者様一人につきカルテ一冊で管理する方法が主流であり,医師とコメディカルがチームでカルテ記録をしていくので,多方面の情報が一か所に集約されます。これは,患者様側からみると,より一貫性のある包括的なサービスを受けることができるということです。このようなシステムは,電子カルテでは,さらに簡単に実現できるもので,効率の点でも非常に有利です。患者データベースの同時共有ができないとなれば,みすみすこの利点を捨てることになります。アクセス権の問題や同期の難しさはあるのでしょうが,少しの努力でクリアできるでしょう。

2006.7 馬場内科


電子カルテ - リモートメインテナンスの落とし穴(その2) :
次に注意すべき点は,リモートメインテナンスそのものが,人的なセキュリティホールになる可能性があるということです。 一般的に,電子カルテが動作するパソコンは,インターネット回線と常時接続されません。さらに,電子カルテにはなんらかのアクセス制限が設けられますので,通常は,外部からカルテを開けられたり,操作されたりすることはありません。しかし,リモートメインテナンスだけは例外です。私たちからみれば,「最高のアクセス権限を持った他人」から,カルテを閲覧されていることになります。

リモートメインテナンスは,サポートがダイヤルアップで接続し,サーバー,場合によってはクライアントパソコンに,リモートコントロールソフトと呼ばれるソフトを使ってログオンし作業を行います。リモートコントロールソフトとは,パソコンの画面をネットワークでつながった別のパソコンから見ることができるソフトのことですが,アクセス権さえあれば,遠くにあるパソコンの画面を盗み見たり,そのパソコンのプログラムやデータを,手元にあるパソコンのものと同じように扱うことができますので,使いようによっては非常に危い代物です。つまり電子カルテの内容を閲覧したり盗用したりすることが可能だということで,この危険性は,遠隔操作されるパソコンのデスクトップ上で,マウスカーソルが勝手に動き回っているるさまを一度でも見れば,はっきり実感できると思います。

このような危険性を考えると,トラブル時の保守はできる限り断り,サポートに直接出向いてもらうように頼むべきです。なぜならほとんどの場合,リモートで行うメリットが,私たちユーザーではなく,メーカーの側にあると思うからです。また緊急時以外は,ファイルの電送や郵送等他の手段を使うのが良いと思います。

とはいえ,サポートセンターが近くになければ仕方なく使わざるをえませんが,その場合は,サポートする会社のセキュリティポリシー,サポートする人の情報とアクセス権,接続するマシンのハードとソフトの環境をはっきり示してもらうことと,メインテナンスのたびに,誰が,いつ,どこから,何をしたかの報告をしてもらうことが必要です。患者様本人以外に紙カルテを閲覧してもらう手順を考えてもらえばこれでもまだまだ足りないことがわかるでしょう。

あたりまえのことですが,ソフトは私たちユーザーの持ち物であり,データは患者様のものです。「リモートメインテナンスによる迅速なサポート」とか,「個人情報保護法に基いた安全な保守」ということばを聞かされても,それだけで安心してはいけません。当院でもリモート接続後に多くのトラブルが起こっています。

2006.7 馬場内科


電子カルテ - リモートメインテナンスの落とし穴(その1) :
電子カルテのサポートの手段のひとつにリモートメンテナンスというものがあります。トラブル時にソフト会社が直接現場へ出向いたり,ファイル等を郵送したりする必要がないので,迅速なサービスが受けられ,便利なようですが,注意しなければならないことがいくつかあります。まずは回線にかかる費用の問題です。

電子カルテのリモートメインテナンスは,セキュリティとコストの面からADSLやひかり回線などブロードバンドが使いにくいのです。で,ほとんどの場合はISDN回線を用意するように言われます。ISDNならば,1加入権で,アナログ電話やFAX回線とあわせて2回線とれるからです。この場合の費用は,月額3,530円の基本料(NTTのINSネット64事務用の場合:税別,工事費別)となります。

ですが,今時はインタネットに接続できることは必須条件ですので,これとは別にブロードバンドである,ADSLかひかり回線を申し込む必要があり,別途費用が発生します。最近は,遠距離の電話料金が圧倒的に安いひかり電話などIP電話や,インターネットを高速で利用できるひかり回線が主流になりつつありますので,リモートメインテナンスのためにアナログ1回線用意しなければならないという条件は費用対効果が非常に悪いといえます。

当院の地域では,光収容と基地局からの距離の関係で,ISDNとADSLのサービスは提供されていません。したがって,一般電話回線(アナログ)で,電子カルテのリモートメインテナンスと一般電話,FAXを受信を行い,ひかり回線で,ネット接続とIP電話の発信を行っています。この場合費用は,月額3,530円(NTTフレッツひかりプレミアム:税別,工事費別,割引サービス別)+ISP使用料となります。他にもっと安くする方法があるかもしれませんが,これでも遠距離電話料金が安くなり,高速でインターネットを使用できますので,前述の方法よりかなりお得だと思います。ただ,リモートメインテナンスを行いますと,電話,FAXともに受信できなくなりますので,時間外の夜間または休日に行わなければなりません。

当院での電子カルテのメインテナンス内容は,バグ(プログラマーのミスによる異常なプログラム)の修正で,しかも緊急性がある内容がほとんどです。なのに,時間外だからというだけではないのでしょうけれど,なかなか修正してくれないのが現状です

2006.7 馬場内科