内臓脂肪型肥満はな…
食べ過ぎや運動不足などが原因で摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り,必要以上に体脂肪を蓄積した状態を「肥満」といいます。そのうち,下腹部,腰のまわり,太もも,おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積するタイプを「皮下脂肪型肥満」,内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプを「内臓脂肪型肥満」とよびます。体形からそれぞれ「洋なし型肥満」と「リンゴ型肥満」ともよばれています。メタボリックシンドロームに関係する肥満は主に後者の「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」です。
内臓脂肪は余ったエネルギーを備蓄する場所として必要なものですが,内臓脂肪が多すぎると,そこから遊離脂肪酸やグリセロール(体内の脂質の一種)が放出されて,高脂血症や高血糖になります。また内臓脂肪が蓄積すると,脂肪細胞より分泌される悪玉物質が増加しするとともに,善玉物質(アディポネクチン)が低下し,その結果,インスリン(血糖を下げるホルモン)に対する体の反応が低下したり,血糖や血圧のコントロールを悪化させて,動脈硬化性疾患を引き起こしたりします。
メタボリックシンドロームは,病名が確定しない予備軍の状態から動脈硬化によるさまざまな症状を引き起こし,高脂血症,高血圧,糖尿病など複数の危険因子が互いに絡み合う状態で病状が進行していく厄介な病態です。
以上のような理由から,メタボリックシンドロームを予防するには,内臓脂肪型肥満をひきおこす生活習慣を避けることが基本となります。
① 運動不足
② 過食と脂肪摂取過多(摂取カロリーの過剰)
③ 蔗糖・果糖の過剰摂取
④ アルコールの摂取
⑤ 塩分の過剰摂取
⑥ 食物繊維の摂取不足
⑦ 好ましくない食習慣(朝食の欠食・間食・早食い・夜食・ストレス食い)
⑧ 喫煙