真夏に流行したイン…
今年の7月末のことです。あるスポーツクラブ周辺で30人近くのインフルエンザ患者がでて「プチ流行」となりました。このときこのクラブは、ニュージーランドのスポーツクラブとの交流行事中であり、ニュージーランドよりこどもたちが休みを利用して来日し、日本のこどもの家庭にホームステイをしていたわけです。インフルエンザウイルスは、ニュージーランドの1人の子供が持ち込んだものでしたが、機内や部屋など狭い場所の中に多人数で過ごす機会が多かったことや,急な気候の変化や過密スケジュールの影響などもあり、両国のこどもと一部のおとなに短期間で広がりました。しかしクラブの迅速な対応と「高温」のせいでしょう、それ以上に広がることなく局所的な小流行で終わりました。
ニュージーランドでのインフルエンザの患者数は、例年、日本では夏の27週目(7月初旬)前後がピークであることが多いのです(下図)。ですからインフルエンザウイルスが南半球から北半球へ広がる経路の中で、このように夏季に直接伝わってくる経路があると考えられ、そのうち一部が夏風邪として処理されている可能性があるという点で少し注意が必要だと思います。
Public Health Surveillancehttp://www.surv.esr.cri.nz/index.php
ニュージーランド人は、インフルエンザを普通の風邪と同様と捉えているようで、マスクの着用や外出制限などが徹底できないことが困りました。また、治療目的・予防目的でタミフルを使用すべきかどうかを迷った後、結局「特殊な状況下での必要性」を優先し使用する立場をとりました。本当にそれでよかったのかどうか,その他にもいろいろなことを考えさせられた出来事でした。