電子カルテ …
先日突然,異なる部署において,同じ患者様のカルテを同時に開いて,書込んだり訂正したりすることができなくなりました。これは,同時書き込みした場合データがうまく同期せず,予期せぬエラーが発生することが判明したからなのですが,同時入力ができないとなると以下のような困ったことが起こってきます。実際仕事になりません。
診療終了後,会計に入ると記事の追加や診断名の記載ができません。診療室では電子カルテのつくりが不完全なこともあり,診療時間内に仕事が終了しません。会計が済むころには,次の仕事が入ったり,診療内容の記憶が薄れている場合があるわけです。また,現段階ではレセコン部分のつくりも不完全で,正しい計算ができていない場合もあるので,会計チェックと訂正に相当な時間がかかります。診療内容を決定し会計を開始した後,またゆっくりと患者様と話して,カルテに書き込むなどという場合もあります。
予診の段階(問診,身体測定,血圧測定その他)では,診察室でカルテが書き込めません。逆に診療室でカルテを開いた場合には,予診の記事や,当日診療と平行して行った検査の結果を書き込むことができません。
ReadOnly で開けば,確かにカルテは閲覧できますが,書き加えたいことがあった場合,後で開きなおすことが面倒です。他の部署の作業が終了したかどうか,いちいち確認しなければなりません。そのようなお知らせ機能をもっていないので,口頭確認です。もっと離れた場所であればどうするのか?
最近は,紙のカルテでも,患者様一人につきカルテ一冊で管理する方法が主流であり,医師とコメディカルがチームでカルテ記録をしていくので,多方面の情報が一か所に集約されます。これは,患者様側からみると,より一貫性のある包括的なサービスを受けることができるということです。このようなシステムは,電子カルテでは,さらに簡単に実現できるもので,効率の点でも非常に有利です。患者データベースの同時共有ができないとなれば,みすみすこの利点を捨てることになります。アクセス権の問題や同期の難しさはあるのでしょうが,少しの努力でクリアできるでしょう。