すすめられる運動量…
前述しましたように,メタボリックシンドロームの原因は内臓脂肪の過剰な蓄積ですから,その基本的な予防法と治療法は,食事に気をつけ適度な運動を行うことにより,余分な内臓脂肪を取り除くことです。では適度な運動とは,具体的にどのような運動指すのでしょうか?
2006年7月厚生労働省より,生活習慣病予防のための安全で有効な運動を広く国民に普及させるためのガイドラインが発表されました。
健康づくりのための運動指針 2006 (PDF:1,216KB) 厚生労働省
このガイドラインによると,健康づくりのための身体活動量として,
週23エクササイズ(MET・時)の活発な身体活動(運動・生活活動)を行うこと,そのうち4エクササイズは活発な運動を行うこと
が目標となっています。
METS(メッツ)とは,運動強度(身体活動の強さ)の単位で,座ってじっとしている状態を1METSとして,運動時にこの何倍に相当するかで運動強度を表わします。例えばゆっくりとした歩行であれば,その運動強度は3METSに相当します。
1METS=座ってじっとしているときの身体活動の強さ
METSは運動強度を示す単位ですので,運動をどのくらい行ったかは,
運動量(METS・時)=運動強度(METS)×運動時間(時間)
で評価する必要があります。この運動量(METS・時)の単位を今回新しくエクササイズと呼ぶことにしました。仮に30分間の歩行を行った場合は,3METS×0.5(時間)となり,1.5エクササイズの運動を行ったことになります。
運動量(エクササイズ)=運動強度(METS)×運動時間(時間)
なお,運動エネルギー消費量 (kcal)は以下の式で求めることができます。
運動エネルギー消費量 (kcal)=1.05×体重(kg)×エクササイズ